フィギュアスケート女子シングルで全日本選手権連覇やグランプリファイナル優勝を果たした紀平梨花選手。2026年現在は、長年悩まされてきた右足首の故障と向き合いながら、男子アイスダンサーの西山真瑚選手と「りかしん」を結成し、新たな競技人生を歩んでいます。
2026年9月の木下グループ杯では国際大会での実績を積み、11月のNHK杯2026にも出場予定です。目指すのは2030年冬季オリンピック。女子シングルからアイスダンスへ転向した理由、2026年最新の成績、過去の輝かしい実績、そして復帰後の課題を、公式記録や日本オリンピック委員会、共同通信の報道をもとに整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 現在の活動:紀平梨花選手は2025年9月に西山真瑚選手とのアイスダンスカップル結成を発表し、「りかしん」として活動中。
- 2026年の成績:木下グループ杯で総合8位、156.86点を記録。四大陸選手権の派遣に必要な最低技術点も獲得した。
- 転向の背景:2021年に発覚した右距骨疲労骨折が長期化。ジャンプの着氷による負担を避けながら、競技を続ける道を選んだ。
- 次の注目大会:2026年11月27~29日のNHK杯に出場予定。大会結果は開催前のため、現時点では確定していない。
- 将来の目標:2030年冬季オリンピックを見据え、日本のトップ争いと国際舞台での評価を目指している。
【紀平梨花の現在】2026年は西山真瑚との「りかしん」で再出発
紀平梨花選手の現在を理解するうえで欠かせないのが、アイスダンスへの転向です。2025年9月29日、紀平選手は西山真瑚選手と新たなカップルを結成し、アイスダンスに挑戦することを公表しました。女子シングルで日本のトップを争ってきた選手が種目を変える決断は、大きな転機となりました。
西山選手は、アイスダンスを中心に競技経験を積んできたスケーターです。以前は田中梓沙選手と組んでいましたが、2025年にカップルを解消。新しいパートナーを探していた時期に、紀平選手との挑戦が具体化しました。2人のチームは「りかしん」の愛称で知られています。
2026年8月には、練習拠点のあるカナダで今季初戦となる国内競技会に出場しました。リズムダンスは67.26点で7組中3位、フリーダンスは87.49点で6位。合計154.75点で7組中4位という結果でした。日本オリンピック委員会(JOC)が伝えた共同通信の報道では、紀平選手は2030年冬季五輪を見据え、今季の結果を残して日本のトップ争いに加わり、世界で評価されたいという目標を語っています。
続く9月の木下グループ杯は、2人にとって初めての国際大会となりました。総合8位という順位だけを見れば、まだ上位争いの段階には届いていません。しかし、国際大会で実戦経験を積み、四大陸選手権への派遣に必要な最低技術点をクリアしたことは、次のステップにつながる成果です。
2026年10月24日時点で、りかしんは11月のNHK杯にも出場予定です。紀平選手にとっては、女子シングルで培った実績を新しい種目でどう生かすかが問われるシーズン。復帰のニュースだけでなく、演技の完成度や得点の推移にも注目したいところです。
【2026年最新成績】木下グループ杯8位、NHK杯は11月に出場予定
紀平梨花・西山真瑚組の2026年の競技成績を見ると、シーズン序盤に国内競技会で実戦を重ね、9月に国際大会へ進んだ流れが分かります。
2026年8月のカナダ国内競技会では合計154.75点で4位。9月4~6日に東京で開催されたISUチャレンジャーシリーズの木下グループ杯では、合計156.86点を記録して8位に入りました。総合得点は前戦から2.11点伸びています。ただし、異なる大会の得点は採点環境や出場者によって変わるため、点数の増減だけで競技力の向上を断定することはできません。
木下グループ杯の内訳は、リズムダンスが61.37点で8位、フリーダンスが95.49点で9位。総合得点156.86点は、ISU公式プロフィールにも自己ベストとして掲載されています。フリーダンスでは、演技全体をまとめる力に加え、各エレメンツの精度を高めることが今後の課題になります。
共同通信の専門サイト「Deep Edge Plus」が報じた大会後のコメントでは、紀平選手はフリーダンスでミスを減らし、各エレメンツを丁寧にこなせたことを収穫として挙げています。西山選手も、全日本選手権後の半年間に取り組んできた練習の成果を出せたと振り返りました。国際大会の経験を積みながら、演技の安定性を高めようとしている段階です。
また、2人は木下グループ杯で四大陸選手権の派遣に必要な最低技術点を獲得しました。これは出場に向けた条件を一つ満たしたという意味であり、大会への派遣や代表選出そのものが確定したことを意味するわけではありません。
次の大きな注目大会がNHK杯2026です。大会情報によると、開催日程は11月27~29日、会場は東京都調布市の京王アリーナTOKYO。9月9日時点の出場予定選手一覧には紀平・西山組の名前が掲載されています。10月24日現在、大会はまだ開催されていないため、NHK杯の順位や得点は今後の結果を待つ必要があります。
【経歴・転向の経緯】GPファイナル優勝から「りかしん」結成まで
紀平梨花選手は2002年7月21日生まれ、兵庫県出身。2006年にスケートを始め、ジュニア時代からトリプルアクセルを武器に頭角を現しました。シニアデビューを果たした2018~2019シーズンには、グランプリファイナルで初出場初優勝を飾り、女子シングルのトップ選手として注目を集めます。
その後、全日本選手権2連覇や四大陸選手権連覇など、国内外の主要大会で実績を積み上げました。しかし、2021年に右足首の疲労骨折が判明。北京オリンピックを目指していたシーズンに長期離脱を余儀なくされ、復帰後も故障との付き合いが続きました。
以下は、フジテレビの選手戦績、日本スケート連盟の公表資料、ISUの競技記録などをもとに整理した主な経歴です。
| 時期 | 主な出来事・大会成績 | 競技人生における意味 |
|---|---|---|
| 2018年12月 | グランプリファイナル優勝、総合233.12点 | シニアの世界トップ選手として躍進 |
| 2019年 | 世界選手権4位、全日本選手権優勝 | 国内外で高い競技力を証明 |
| 2020年 | 四大陸選手権優勝、全日本選手権優勝 | 全日本選手権2連覇を達成 |
| 2021年7月 | 右距骨疲労骨折が判明 | 北京五輪を目指すシーズンに大きな影響 |
| 2022~2024年 | 復帰後も右足首の痛みや故障に苦しむ | シングルでの継続的な競技活動が難しくなる |
| 2025年9月 | 西山真瑚選手とのアイスダンス転向を発表 | 新たな種目で2030年五輪を目指す |
| 2025年11月 | 西日本選手権でアイスダンスデビュー、3位 | 約3年ぶりの試合復帰を果たす |
| 2025年12月 | 全日本選手権アイスダンス4位、144.41点 | 短期間で国内上位に進出 |
| 2026年8月 | カナダの国内競技会で合計154.75点、4位 | 新シーズンの実戦をスタート |
| 2026年9月 | 木下グループ杯8位、156.86点 | 国際大会で自己ベストを更新 |
| 2026年11月予定 | NHK杯に出場予定 | グランプリシリーズでの演技が注目される |
特に大きな転換点は、2025年9月のアイスダンス挑戦表明です。2025年の西日本選手権では合計136.74点で3位となり、同年12月の全日本選手権では144.41点で4位に入りました。結成から間もないカップルが国内選手権で上位に進出したことは、2人の基礎的なスケーティング能力や適応力を考えるうえで注目すべき結果です。
ただし、シングルの実績がそのままアイスダンスの成績に置き換わるわけではありません。新しい種目では、パートナーとの同調性、ツイズル、リフト、ステップ、音楽表現など、異なる技術と競技理解が求められます。過去の栄光を持つ選手であっても、現在の競技力は現在の種目の成績で評価する必要があります。
【アイスダンス転向理由】右足首疲労骨折と五輪への思い
紀平梨花選手が女子シングルからアイスダンスへ転向した背景には、長引く右足首の故障と、競技を続けたいという強い思いがありました。
日本スケート連盟が2021年12月22日に発表した全日本選手権の欠場資料では、病名は「右距骨疲労骨折」とされています。右距骨は足首の関節を構成する骨の一つです。紀平選手は7月に判明していた疲労骨折の回復が遅れ、右足関節痛が続いていたため、安静と治療が必要な状態でした。
フィギュアスケートの女子シングルでは、ジャンプの踏み切りや着氷を繰り返します。高難度ジャンプを武器としてきた紀平選手にとって、右足首の痛みは技術面だけでなく、練習量や試合への出場計画にも影響する問題でした。復帰後も患部を痛めるなど、安定して競技を続けることが難しい時期が続きました。
アイスダンスは、男女のカップルが音楽に合わせて滑り、ステップやターン、リフト、ツイズルなどを通じて技術と表現力を競う種目です。シングルのようにジャンプを主要な得点要素としないため、ジャンプの着氷による負担を避けながらスケートを続ける選択肢になりました。
ただし、アイスダンスなら故障のリスクがなくなるわけではありません。エッジワークやターン、片足でのバランス、パートナーとの動きの同期、リフトなどには高度な身体能力が必要です。転向は「怪我が治ったから別の種目へ移った」という単純な話ではなく、身体の状態と競技を続ける可能性を考えた選択として理解するのが適切です。
2025年の共同通信によるインタビューでは、紀平選手が故障に苦しんだ期間や、新しい挑戦によって前を向けるようになった心境が紹介されました。ミラノ・コルティナ2026冬季五輪の女子シングル代表選考に間に合わなかった一方で、2人は2030年大会を長期目標に掲げています。
大切なのは、種目を変えたことで過去の実績を捨てたわけではないという点です。ジャンプで培った空中感覚や身体操作、難しい技術を習得してきた経験は、アイスダンスでも生かせる可能性があります。紀平選手の挑戦は、身体的な制約のなかで競技者としての強みを再構成する試みでもあります。
【シングル時代との比較】紀平梨花の技術はアイスダンスでどう生きる?
紀平選手の最大の特徴は、女子シングル時代に培った高い身体能力と、難しい技術を習得する力です。2018年のグランプリファイナル優勝をはじめとする実績は、単にジャンプが得意だったことだけでなく、ショートプログラムとフリースケーティングを通じて高得点を狙う総合力があったことを示しています。
一方、アイスダンスでは技術の評価軸が大きく変わります。シングルではジャンプやスピンなどの個々の要素が目立ちますが、アイスダンスでは2人の滑りの一体感、エッジの使い方、リズムの表現、難度の高い要素を音楽に合わせて正確に行う能力が問われます。
2026年8月の共同通信によるインタビューでは、西山選手が紀平選手の身体能力の高さをリフトなどでの強みとして評価していることが紹介されました。高い身体能力は武器になり得ますが、それだけで得点が決まるわけではありません。アイスダンス特有の技術を2人で磨き、試合で安定して再現できるかが重要です。
シングル時代との比較を整理すると、次のようになります。
- ジャンプ:シングルでは大きな得点源だった一方、アイスダンスでは競技の中心的な得点要素ではない。
- スケーティング:どちらの種目でも重要。エッジの深さや滑らかさ、スピードをコントロールする力は新しい種目でも生きる。
- 身体能力:シングルで培ったバランス感覚や空間認識能力は、ツイズルやリフトなどの習得に役立つ可能性がある。
- 表現力:アイスダンスではパートナーとの関係性や音楽との一体感が不可欠で、2人で演技全体を作り上げる力が求められる。
- 採点への適応:シングル時代の実績や得点を直接比較するのではなく、アイスダンスの技術点と演技構成点を分けて見る必要がある。
この比較から分かるのは、紀平選手の転向を「シングルで勝てなくなったから別種目へ移った」とだけ捉えるのは不十分だということです。故障による制約が転向の背景にある一方、新しい種目には新しい技術の習得と競技者としての再構築が必要です。過去の実績は強みですが、現在の評価は新しい種目での演技によって築かれていきます。
【評判と2030年冬季五輪】今後の評価を左右する3つのポイント
「りかしん」に対する期待の背景には、紀平選手の知名度だけでなく、短期間で試合に戻ってきたことや、2人が新しい種目に挑戦する姿勢があります。共同通信の専門サイト「Deep Edge Plus」が伝えた2025年のインタビューでは、西日本選手権のデビュー演技に対して温かな反応が寄せられたことが紹介されました。2026年の木下グループ杯でも、紀平選手は久しぶりの国際舞台で多くの人が待っていてくれたと感じた旨を語っています。
一方で、評判と競技成績は分けて考える必要があります。注目度が高いことと、国際大会で上位に入ることは別の問題です。2026年の木下グループ杯では8位という結果でしたが、四大陸選手権の派遣に必要な最低技術点を獲得したことは、次の大会を目指すうえで具体的な前進となりました。
今後の評価を見極めるには、次の3点が重要です。
1.演技の安定性
新しいカップルにとって、練習でできる技術を試合でも再現することは大きな課題です。ツイズルやリフトなどの各要素を確実にこなし、ミスを減らせるかどうかが、国際大会での得点向上につながります。木下グループ杯で各エレメンツを丁寧に実施できたという振り返りは、その意味で重要です。
2.国内のトップ争いに加われるか
2025年の全日本選手権では4位でした。2026年の目標は、日本のトップで争い、世界で評価されることです。今後の全日本選手権で上位に進出できるかは、国内での立ち位置を測るうえで大切な指標になります。
3.2030年五輪へ向けた継続的な成長
2030年冬季オリンピックは、紀平・西山組が掲げる長期目標です。ただし、目標を公表したことや国際大会に出場したことだけで、五輪出場が決まるわけではありません。今後の競技成績、代表選考の基準、国際大会での評価など、複数の条件をクリアする必要があります。
2026年11月のNHK杯は、その成長を確認する機会の一つです。出場予定が公表されていることは前進ですが、大会の結果はまだ出ていません。順位だけではなく、技術点、演技構成点、ミスの数、2人の滑りの同調性を合わせて確認すると、成長の実態をより具体的に把握できます。
【プロの結論】紀平梨花の復帰は「過去の再現」ではなく、新しい競技人生の構築
紀平梨花選手の2026年を評価する際、女子シングル時代の優勝歴だけを基準にすると、現在の挑戦を正しく理解できません。グランプリファイナル優勝や全日本選手権2連覇は確かな実績ですが、アイスダンスでは別の技術体系とパートナーとの連携が求められます。
また、右足首の疲労骨折をきっかけとした長い離脱は、単なるブランクではありません。身体の状態と向き合いながら、どの種目なら競技を続けられるのかを模索した時間でもあります。アイスダンスへの転向は、かつての自分に戻ることだけを目指すのではなく、スケーターとして新しい強みを築くための選択と捉えられます。
現時点での判断基準は明快です。過去の知名度ではなく、2026年の大会で示した得点と演技内容を確認すること。故障が完全に解消したと決めつけず、競技を継続できる状態かどうかにも注目すること。そして、2030年五輪への意欲を、確定した出場権と混同しないことです。
木下グループ杯で総合156.86点を記録し、四大陸選手権への派遣に必要な最低技術点をクリアした「りかしん」は、国際舞台で経験を積み始めた段階にあります。NHK杯でどのような演技を見せるのか、国内のトップ争いにどこまで近づけるのか。今後の評価は、一つひとつの大会で積み重ねる結果によって変わっていきます。
【スケート紀平梨花】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:紀平梨花選手は2026年現在、何をしていますか?
A1:男子アイスダンサーの西山真瑚選手と「りかしん」を結成し、アイスダンスの競技会に出場しています。2026年9月の木下グループ杯では総合8位、156.86点を記録しました。
Q2:紀平梨花選手がアイスダンスに転向した理由は何ですか?
A2:2021年に判明した右距骨疲労骨折など、右足首の故障が長引いたことが大きな背景です。ジャンプの着氷による負担を避けながら競技を続ける道を探し、シングルとは異なる技術を中心とするアイスダンスに挑戦しました。
Q3:「りかしん」の2026年NHK杯の成績はどうなっていますか?
A3:2026年10月24日時点では、NHK杯はまだ開催されていません。大会は11月27~29日に東京都調布市で予定されており、紀平・西山組は出場予定選手に含まれています。順位や得点は大会後に確定します。
Q4:紀平梨花選手のシングル時代の主な実績は何ですか?
A4:2018年のグランプリファイナル優勝、2019年と2020年の全日本選手権連覇、2019年と2020年の四大陸選手権連覇などです。2019年の世界選手権では4位に入りました。
Q5:紀平梨花選手は2030年冬季オリンピックに出場できますか?
A5:2030年大会は紀平・西山組が目標に掲げていますが、出場が決まったわけではありません。今後の国内外の大会成績や代表選考などを通じて、出場の可能性を高めていく必要があります。
まとめ:紀平梨花の現在と今後の動向を見極めるポイント
紀平梨花選手は、女子シングルで数々のタイトルを獲得した後、右足首の故障と向き合い、2025年に西山真瑚選手とのアイスダンス転向を決断しました。2026年には木下グループ杯で総合8位、156.86点を記録し、四大陸選手権の派遣に必要な最低技術点もクリア。11月のNHK杯出場を予定しています。
今後の注目点は、演技の安定性、国内のトップ争い、国際大会での得点向上、そして競技を継続できるコンディションです。2030年冬季オリンピックは大きな目標ですが、実現には一つずつ実績を積み上げる必要があります。
シングル時代の栄光だけでも、転向後の順位だけでも、紀平梨花選手の現在を十分には評価できません。過去の実績を土台にしながら、新しい種目でどのような成長を見せるのか。「りかしん」の挑戦は、これからの大会結果と演技内容を通じて、その価値が明らかになっていきます。 (出典: スケート 紀平 梨花(Yahoo!ニュース))