2026年の巨人の新外国人を評価するうえで、まず押さえたいのは、打者と投手で成果の現れ方が異なった点です。日本野球機構(NPB)の個人年度別成績によると、ダルベックは打線の中軸を担う数字を残しました。一方、マタ、ウィットリー、ハワードはそれぞれ好材料を示しながら、登板数や故障による稼働期間に課題を残しています。
主な成績:日本野球機構(NPB)2026年度個人年度別成績
内野手・背番号29
135試合、打率.252、出塁率.315、長打率.457、181三振。
右投手
防御率
7試合すべて先発、34投球回、2勝1敗、38奪三振。
右投手
14試合、3勝4敗、81回2/3、97奪三振。
右投手
7試合、3勝3敗、37回1/3、42奪三振。
打線で最も明確な成果を挙げたのはダルベックです。25本塁打と81打点は、巨人が期待した長打力が日本の一軍でも通用したことを示しています。ただし、181三振という数字も見逃せません。打率.252、出塁率.315にとどまったことを考えると、長打で試合を動かす力と、打席ごとの安定性は別々に評価する必要があります。
マタの防御率2.65も見栄えのする数字です。34イニングで38三振を奪い、被本塁打はゼロでした。一方、与四球は21個。奪三振能力が高い反面、制球面には改善の余地があり、7試合という登板数も含めて評価する必要があります。好成績を残したことと、シーズンを通してローテーションを支えたことは同じではありません。
ウィットリーは14登板で防御率2.31、ハワードは7登板で防御率1.93。いずれも数字だけなら戦力として魅力があります。しかし、両投手は故障によってシーズン途中に離脱しました。巨人にとっての課題は、投手の能力そのものよりも、その能力をシーズンのどこまで活用できたかにあります。
【加入経緯と補強の理由】巨人は何を期待して獲得したのか
巨人の新外国人補強を理解するには、獲得時の実績と、加入後に求められた役割を分けて見る必要があります。2026年の主な新戦力は、長打力を担うダルベックと、先発投手の選択肢を増やすウィットリー、マタ、ハワードです。ただし、ハワードは前年に楽天でプレーしており、日本球界への新加入ではなく、巨人への移籍という位置付けになります。
ダルベック:マイナーでの長打力を日本でも再現できるか
巨人は2025年12月、ダルベックとの契約合意を発表しました。球団発表によると、獲得前の2025年はホワイトソックスでプレーしたほか、マイナーリーグ3Aの3球団で計105試合に出場し、打率.269、24本塁打、82打点を記録していました。
191センチ、102キロの右打ち内野手という体格に加え、3Aで示した長打力が獲得の大きな判断材料だったと考えられます。巨人が必要としていたのは、安打数を積み上げるだけでなく、一振りで得点を生み出せる打者です。実際、2026年には25本塁打、81打点を記録し、長打力への期待に応えました。
マタ:メジャー傘下の実績を一軍の投手力へ
球団が2025年12月に契約合意を発表したマタは、ベネズエラ出身の右腕です。獲得前の2025年はレッドソックス傘下3Aで42試合に登板し、3勝3敗2セーブ、防御率5.08という成績でした。
獲得前の防御率だけを見れば、完成された投手というより、環境を変えて能力を引き出したいタイプの補強です。2026年は先発として7試合に登板し、防御率2.65、38奪三振を記録しました。役割も成績も獲得前の数字とは異なるため、マイナーでの防御率だけで補強の成否を判断するのは適切ではありません。
ウィットリー:潜在能力と実戦稼働の両立が課題
ウィットリーはアストロズ傘下のマイナーで長く経験を積み、2024~2025年にはアストロズ、2025年にはレイズでもプレーした右腕です。巨人は2025年12月に契約合意を発表しました。2016年から2025年までマイナーで経験を重ね、メジャーの舞台も経験していたことが、獲得時の評価につながったと考えられます。
2026年は開幕ローテーションに入り、14試合で防御率2.31を記録しました。能力を日本の一軍で示した一方、7月24日の阪神戦を最後に上半身のコンディション不良で離脱しています。実力を確認できたことと、年間を通して先発陣を支えられたかは、分けて評価すべきポイントです。
ハワード:楽天での実績を巨人でも再現できるか
ハワードは2025年に楽天で9試合に登板し、5勝1敗、防御率2.22を記録しました。巨人は2026年に同投手を迎え入れましたが、移籍初年度は7試合で3勝3敗、防御率1.93という成績に終わりました。
投球内容は悪くありません。37回1/3で42奪三振を記録し、少ない登板数でも高い奪三振能力を示しました。しかし、右アキレス腱炎や腰痛に悩まされ、9月23日には腰の治療に専念するため帰国したと報じられています。獲得時の実績と2026年の投球成績だけでなく、健康状態が補強の評価を左右する典型例です。
【巨人新外国人の投手比較】防御率だけでは見えない実力と課題
ウィットリー、ハワード、マタの3投手は、いずれも一定の奪三振能力を示しました。ただし、投球回数、制球、故障による離脱期間には差があります。2027年の補強を考えるうえでは、投げた試合の質と、年間を通して計算できるかという二つの軸が欠かせません。
出典:日本野球機構(NPB)の2026年度個人年度別成績。
この比較から分かるのは、投手の補強評価を防御率の順位だけで決められないということです。防御率は失点を抑える能力を示しますが、登板数や投球回数、四球、故障による離脱までは一つの数字で表現できません。特にハワードとマタは7試合、ウィットリーは14試合であり、長いシーズンを通した再現性を測るには、稼働実績も合わせて見る必要があります。
巨人が2027年の先発投手を選ぶなら、三振を取れる能力だけでなく、四球を減らせるか、故障から復帰した後に登板間隔を守れるか、複数回の先発を安定してこなせるかが判断材料になります。新たな外国人投手を獲得する場合も、過去のメジャー実績だけでなく、直近の登板数や健康状態を見極めることが重要です。
【2027年の去就】ダルベックとマタは残留交渉、投手陣は入れ替えの可能性
2026年10月12日付の日刊スポーツ、スポニチなどの報道では、巨人の外国人選手について、来季に向けた大幅な入れ替えが検討される可能性が伝えられました。報道段階の情報と球団が正式に発表した契約決定は区別する必要がありますが、現時点で注目されるのは、ダルベックとマタの残留交渉、そしてウィットリーとハワードの退団見込みです。
25本塁打、81打点を記録したチームの長距離砲。日刊スポーツなどの報道では、本人が来季も巨人でプレーしたい意向を示している。三振の多さを含め、打撃の安定性も評価材料になる。
防御率2.65、38奪三振という成績は魅力。四球の多さと登板数の少なさをどう評価するかが、来季の契約判断を左右する。
防御率2.31という成績は評価できるが、故障離脱が大きな課題。10月13日に帰国が発表され、来季の契約については流動的と報じられた。
防御率1.93と投球内容は良好だったが、故障によって7登板にとどまった。10月12日付の報道では、今季限りで退団する見込みとされた。
日刊スポーツは10月12日付の記事で、ダルベックが来季の契約を希望する趣旨の発言をしたと報じています。一方、スポニチは同日、ウィットリーとハワードが退団する見込みで、ダルベックとマタは残留交渉を進める方向と伝えました。これらは報道時点での見通しであり、最終的な契約は球団の発表を確認する必要があります。
ほかの外国人選手も一律に残留が決まっているわけではありません。10月12日付の日刊スポーツの報道では、ライデル・マルティネスは残留予定とされる一方、アルベルト・バルドナードは退団濃厚、トレイ・キャベッジ、フリアン・ティマ、ルイス・ルシアーノらは去就が不透明と伝えられています。契約年数や交渉状況は選手ごとに異なるため、報道の表現をそのまま確定事項として受け取らないことが大切です。
2027年の助っ人編成を占ううえで、ダルベックは長打力、マタは奪三振能力が残留を検討する材料になります。ウィットリーとハワードについては、投球内容が一定水準に達していても、稼働率の低さが契約判断に影響する可能性があります。成績と健康状態のどちらを優先するかが、巨人の外国人補強の方向性を映すポイントです。
【外国人枠の仕組み】実力があっても一軍で使えるとは限らない
巨人の外国人選手を評価する際に見落としやすいのが、一軍登録と試合での起用には制度上の制約があることです。2026年の報道でも、外国人選手が5人一軍登録されていた日に、ベンチ入りできる人数が4人であることを理由に、ダルベックがベンチ外となった事例が紹介されました。
2026年の運用を理解する基本は、一軍の出場選手登録は外国人選手5人以内、試合でベンチ入りできるのは4人以内という違いです。投手と野手の組み合わせにも制約があり、外国人野手4人を同時に打線へ入れることはできません。つまり、契約している外国人選手の数と、同じ試合で起用できる選手の数は一致しません。
この制度は、2027年の補強戦略にも影響します。たとえば、ダルベックとキャベッジを打線に並べ、マルティネスを救援陣に置き、さらに外国人先発投手を登録する場合、試合ごとに誰をベンチへ入れるかという判断が必要です。先発投手は登板日とそれ以外の日で役割が変わるため、登録枠の使い方も複雑になります。
そのため、球団が外国人選手を獲得する際には、個々の選手の能力だけでなく、日本人選手とのポジション競争、先発・救援の役割、対戦相手との相性、故障者が出た場合の代替案まで考慮する必要があります。外国人選手を多く抱えることが、そのまま戦力の上積みにつながるわけではありません。
【巨人の歴代外国人と比較】ダルベックの25本塁打はどの位置にあるのか
巨人の歴代外国人選手を振り返ると、長期間にわたって中心打者を務めたウォーレン・クロマティやアレックス・ラミレス、救援投手として実績を残したスコット・マシソンなどが挙げられます。Full-Countの歴代助っ人を扱った記事では、クロマティが1984~1990年に巨人で171本塁打、ラミレスが2008~2011年に148本塁打を記録したと紹介されています。
ダルベックの2026年25本塁打は、1シーズンの成績です。クロマティやラミレスの通算本塁打と直接比較することはできませんが、長打力を備えた外国人打者が巨人の打線に求められてきたことは共通しています。今後も契約が続くなら、単年の本塁打数だけでなく、出塁率や三振率を改善し、複数年にわたって安定した貢献を残せるかが評価の基準になります。
投手については、長期間にわたって救援陣を支えたマシソンのような例が、外国人投手の価値を考える参考になります。短期間で好成績を残すことも大切ですが、毎年一定の役割を担える投手は、チーム編成上の価値が高くなります。2026年のウィットリーとハワードは防御率の面で結果を残したものの、故障で登板数が限られた点が、長期的な評価を難しくしています。
歴代の助っ人と比べるときに注意したいのは、過去のスター選手の実績を、加入初年度の外国人選手にそのまま求めないことです。役割、起用機会、在籍期間が異なれば、記録の意味も変わります。ダルベックには長打力、投手陣には投球の質と稼働率という、それぞれの役割に応じた評価軸を設定するのが合理的です。
【プロの結論】残留判断は「成績・稼働率・代替コスト」の三軸で考える
2026年の巨人新外国人を総括すると、ダルベックは長打力という明確な成果を残し、マタは限られた登板数ながら奪三振能力を示しました。ウィットリーとハワードも防御率では好成績を記録しましたが、故障によって年間を通した貢献が限定された点が課題です。
来季の残留・退団を判断する際には、次の3点を組み合わせて考えるべきです。
この基準に照らせば、ダルベックの25本塁打は残留を検討する強い材料ですが、三振の多さを改善できるかも重要です。マタは防御率と奪三振能力を評価しつつ、制球と登板数を見極める必要があります。ウィットリーとハワードは投球内容に一定の評価を与えられる一方、故障リスクと代替投手の確保を含めた判断が求められます。
巨人の2027年編成で問われるのは、外国人選手を何人入れ替えるかという数字そのものではありません。チームに不足している役割を見定め、その役割をシーズンを通じて果たせる選手を確保できるかどうかです。
【巨人新外国人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:巨人の新外国人ダルベックの2026年成績は?
A1:NPBの年度別成績によると、135試合に出場して打率.252、25本塁打、81打点を記録しました。長打力を示した一方、181三振という課題も残しています。
Q2:マタ、ウィットリー、ハワードのうち、2026年の防御率が最も良かったのは誰?
A2:3投手のうち、防御率が最も低かったのはハワードの1.93です。ウィットリーは2.31、マタは2.65でした。ただし、ハワードは7登板、ウィットリーは14登板、マタは7先発にとどまっており、投球内容と稼働率を合わせて評価する必要があります。
Q3:巨人の外国人選手で2027年も残留するのは誰?
A3:2026年10月12日付の報道では、ダルベックとマタは残留交渉の対象とされ、マルティネスは残留予定と伝えられました。一方、ウィットリーとハワードは退団見込みと報じられています。交渉段階の見通しと正式な契約決定は異なるため、最終的には球団発表で確認する必要があります。
まとめ:巨人の助っ人補強は2027年の編成判断へ
巨人新外国人の2026年を振り返ると、ダルベックの25本塁打・81打点は打線の補強成果として評価できます。マタも防御率2.65を記録し、ウィットリーとハワードも防御率の数字では一定の結果を残しました。しかし、投手陣では故障による離脱が目立ち、成績の良さだけでは補強の成功を判断できないシーズンでもありました。
2027年の去就については、ダルベックとマタの残留交渉、ウィットリーとハワードの退団見込みが焦点です。今後は契約の正式発表に加え、新外国人候補の獲得状況や既存選手の健康状態にも注目が集まります。
巨人の助っ人補強を見極めるうえでは、話題性や獲得時のメジャー実績だけでなく、実際の成績、稼働率、外国人枠との兼ね合いを確認することが重要です。2026年の経験を2027年の編成にどう生かすかが、巨人の外国人補強の成果を左右するポイントになります。 (出典: 巨人 新 外国 人(Yahoo!ニュース))